figma アクセスビリティ

Figmaにおける アクセシビリティ(Accessibility) とは、
「誰でも使いやすいデザインをつくるための配慮を、Figma上で設計段階から行うこと」
を指します。

🎯 アクセシビリティとは
アクセシビリティ(Accessibility)は、
障害のある人・高齢者・色覚特性のある人などを含めた すべてのユーザーが使いやすいデザイン にすることを目的としています。
Figmaでは主に ビジュアルと操作の面 でそれを支援します。

🧭 Figmaで配慮すべき主なアクセシビリティ項目
1. 色のコントラスト
テキストと背景の明度差を確保します(WCAG 2.1 準拠)。
通常の文字:コントラスト比 4.5:1以上
大きな文字(18pt以上または太字14pt以上):3:1以上

🔧 Figmaプラグインで確認可能:
“Contrast”
“Able”
“Stark”(有名なアクセシビリティチェックプラグイン)

2. 色だけに頼らない情報設計
色の変化(例:赤=エラー)だけで意味を伝えない。
例)アイコン(⚠️)やテキスト(“Error”)も併用。
状態(有効・無効・警告など)を 形やラベル でも伝える。

3. フォントサイズ・行間
小さすぎる文字は避ける(最低 12〜14pt 推奨)。
行間(line height)は1.4〜1.6倍程度を目安にする。
Auto Layout を使うと、テキストが拡大されても崩れにくくなります。

4. キーボード操作・フォーカスの可視化(UI設計段階で)
クリックだけでなく、Tabキー操作 で要素を辿れる設計を意識。
フォーカス時に**明確なハイライト(アウトラインや影)**をデザインしておく。

5. 音声リーダー(スクリーンリーダー)対応を意識
Figma上では直接読み上げ設定はできませんが、
ボタンやリンクに 明確なテキストラベル を付ける
意味のあるコンポーネント名 を使う(例:「btn_submit」ではなく「Button / Primary」など)
開発者が読み上げラベルを設定しやすくなります。

6. レスポンシブ対応・レイアウトの柔軟性
Auto Layout と Constraints を活用し、
画面サイズが変わっても情報が欠けないようにする。
テキスト量が増えてもボタンが崩れない設計に。

7. テキストコントラスト・シミュレーション
🔧 プラグイン “Sim Daltonism” や “Contrast” を使うと、
色覚特性(赤緑・青黄など)での見え方を確認可能。

🧩 Figmaでの実践例
ボタンコンポーネント に対して:
ホバー・フォーカス・無効状態をそれぞれVariantで定義
コントラスト比を4.5:1以上に調整
テキストラベルを付け、アイコンだけのボタンは避ける
フォーム では:
入力欄のエラー時に、赤色+メッセージ+アイコンで通知
必須項目には「*」とテキスト補足を併用

💡 まとめ
項目 目的 Figmaでの対応方法
コントラスト 見やすくする Contrastプラグインなどで確認
色依存を避ける 意味を正確に伝える 形・テキストも併用
テキストサイズ 読みやすく 最低12〜14pt、line-height 1.5倍
フォーカス可視化 操作性を確保 Hover/Focus variantで表現
名前付け スクリーンリーダー補助 意味のあるレイヤー・コンポ名に