ROMの電子回路の仕組み

### マスクROM
メモリセルの内部回路の開放と短絡によって1, 0を記憶する
半導体製造工程には写真の感光技術が利用されるが、基板を覆うマスクパターンによってデータが記録される
データ線ADとデータ線Dが短絡しており、AD=HとなるとD=Hとなる
アドレス線を開放状態にすると、AD=HとしてもD=Lのままである H, Lに0と1を割り当てて、1ビットを記憶することができる
バイポーラトランジスタを使ったマスクROMはこの原理で動作させてることができる
実用的には消費電力の少ないMOSFETを半導体スイッチとして用いている
マスクROMはIC製造段階で情報を書き込むのでデータを変更することができない

### PROM
一度だけ書き込み可能なROMをPROMという
ヒーズをトランジスタのエミッタ端子とデータ線の間に設けて、これを溶断するかどうかによってH、Lを記憶する
PROM出荷時には全ヒューズが繋がっている
セルにLを記憶するには、電源電圧Vccを高く設定し、ヒューズが溶断されるとLが記憶される
ヒューズ以外にもダイオードを挿入し、pn接合を破壊・短絡してH, Lを表す方法もある

### EPROM
データの正気と再書き込み可能なROMをEPROMという
データの消去に紫外線を使うUV-EPROMと電圧を使うEEPROMがある
装置固有の設定データや利用者情報などの記憶、書き換え頻度の少ない用途に適している

– 書き込み方法
p型半導体基板上にn型半導体を二つ設け、これに電極ドレイン(D)とソース(S)をつける
更にドレイン・ソース間に絶縁層を設け、その上にゲート電極(G)をつける
n型半導体は自由電子が含まれた物質で自由電子の流れが電流
p型半導体は自由電子を含んでいない
ゲートに電圧を加えない状態では電流は流れない(nMOSがオフ)
ゲートに電圧を加えるとゲート、ソース間はコンデンサとして働き、正の電荷がゲート電極に蓄えられる
-> nチャンネルを作り、半導体スイッチとなる Vgs > Vthでオン、Vgs < Vthでオフ FGの帯電量によってMOSFETのオンオフを決定でき、ROMとして1ビットを記憶させることができる 一度入り込んだ負電荷は電源を切っても消えないので、半永久的にこの状態を保持できる - データ消去 UV-FPROMは紫外線をFGゲートに照射させることで内部電子のエネルギーを増大させ、FGゲートから放出させる このため、IC上部には紫外線照射窓がある EEPROMは電圧によってFGゲートの電子を放出させる FGゲートの帯電動作と逆 ゲート電圧を0とし、ドレイン電圧を高く設定するとFGゲートの電子がドレイン側に逃げ出して0となる EEPROMは電圧制御によって1ビット単位で行うことができるが、セルにMOSFETが追加されるため面積が大きくなり大容量化が難しくなる ### フラッシュメモリ メモリセルを幾つかの集合に分割し、消去をブロック単位で行うようにした セルの消去用トランジスタをなくすことでセル面積を抑え、大容量化を図っている 電源を切ってもデータが保持できるので応用は急速に広がっている マザーボードのBIOS、スマホのストレージはフラッシュメモリー UBS, SSDなどもNAND型のフラッシュメモリー フラッシュメモリはTranscend(台湾)、Silicon-Power(ドイツ)、ELECOM、I-O DATA、SanDisk、BUFFALO、GREEN HOUSEなどが生産 EPROMの仕組みは、p型半導体と、s,dのn型半導体に挟まれた絶縁体のゲートでできてるのね。 1ビットでこの仕組みが必要なのに、500GBのSSDって、どれだけpnとデータ線、アドレス線をどうやって少量化して詰め込んでるんやろうか、全く想像が付かない。CPUもそうだけど。 ICメモリの仕組みがわかったところで、アプリケーションの品質には直接は影響はないけど、興味深いところではある。