半導体のpn接合による発光原理

半導体結晶に対して一定以上のエネルギーを与えると(バンドギャップ以上)、結合に使われている電子が束縛から離れ、正孔ができる。基底状態->励起状態

バンドギャップエネルギーに相当する波長の光を出して基底状態に戻る
n型半導体、p型半導体では再結合して発光する電子および自由電子が少ないため、有効な発光素子にならない。そのための構造として、pn接合がある。
LEDはpn接合を利用した半導体発光素子

### 直接遷移型と間接遷移型
– 直接遷移型
ガリウムヒ素(GaAs)、GaN、インジウムリン(InP)などは再結合するときに電子が受け取ったエネルギーの多くを光として放出する
– 間接遷移型
Si(シリコン)やGe(ゲルマニウム)は再結合するときに受け取ったエネルギーの多くを熱として放出する

LEDを作るには直接遷移型が望ましく、LSIのSi(シリコン)は向いていない
※Siのバンドギャップエネルギーは1.11[eV]
可視光線の範囲は380~770[nm]程度なんおで、1.61〜3.26[eV]のバンドギャップエネルギーが必要
-> 半導体の素材はLEDの発光したい電磁波の波長によって変わってくる
-> 赤外線LEDはアルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)

### 化合物半導体
2種類以上の元素を組み合わせたものが化合物半導体(ほとんどのLED)
バンドギャップエネルギーは混合比による

### pn接合
p型半導体とn型半導体を接合させたものをpn接合という
接合面近くのn型中電子とp型中正孔が再結合する。その結果n型には+イオン、p型には-イオンが残る 
接合部には空乏層と呼ばれる領域が形成される

p型に+、n型に-の順方向電圧を拡散電位以上の大きさで印加するとn型電子はp型の方に、p型正孔はn型の方に移動する このとき接合面において再結合してバンドギャップに対応するエネルギーの光を出す
電圧を強くすると多くの再結合が起こるので強い発光となる
p型かn型の半導体を2つ用意し、ダブルヘテロ結合にすると、より強い発光が可能になる

蛍光灯は水銀原子と熱電子の衝突から紫外線を蛍光体に当てて可視光線を出しているけど、LEDは半導体pn接合の再結合によって発光している、ということは原理が全然違いますな。赤外線LEDの意味もわかってきた。